カスタム研修と公開講座の違いと使い分け
生成AI研修を探し始めると、「貴社向けにカスタマイズします」という自社専用の研修と、日程が決まっていて誰でも申し込める公開講座の2種類があることに気づきます。「カスタムのほうが良さそうだが高そう」「公開講座で十分なのか判断がつかない」と迷う教育担当者の方は多いのではないでしょうか。
実はこの2つは優劣の関係ではなく、受講人数と目的によって損益分岐が変わる関係にあります。特に従業員100名以下の会社では、「受講させたいのは3〜5名だけ」というケースが多く、その場合は公開講座のほうが割安になるのが一般的です。この記事では、両者の違いを整理し、人数・目的別の使い分けの判断基準を解説します。
- カスタム研修と公開講座の仕組みの違い
- 費用構造の違いと「何名から」カスタムが有利になるかの目安
- 人数・目的別の使い分け早見表
- 申し込み前に確認すべきチェックリスト
カスタム研修と公開講座、仕組みの違い
カスタム研修(個社向け研修)は、研修会社が自社のためだけに内容・日程・会場を設計してくれる形式です。自社の業務資料を題材にした演習、自社の利用ルールに沿った説明など、内容を業務に寄せられるのが最大の特徴です。講師派遣・オンライン開催のどちらも選べるのが一般的です。
公開講座は、研修会社があらかじめ日程とカリキュラムを決めて開催し、複数の会社の受講者が混ざって参加する形式です。1名から申し込めて、費用は人数分だけ。内容は汎用的ですが、その分「生成AIの基礎」「プロンプトの基本」といった土台づくりには十分対応できます。他社の参加者と交流できる点を利点に挙げる声もあります。
費用構造の違い|損益分岐は「およそ8〜10名」
両者は課金の仕方がまったく異なります。一般的な相場観を表にまとめます(2026年9月時点の目安)。
| 項目 | カスタム研修 | 公開講座 |
|---|---|---|
| 課金単位 | 1回(1開催)ごと。人数が増えても総額は大きく変わらない | 1人ごと。人数に比例して総額が増える |
| 費用の目安 | 半日〜1日で20万〜80万円程度が一般的な相場 | 1人あたり2万〜8万円程度(半日〜1日)が一般的な相場 |
| 内容の自由度 | 高い(自社の業務・ルールに合わせられる) | 低い(決まったカリキュラム) |
| 日程 | 自社の都合に合わせられる | 主催者の開催日程に合わせる |
| 最少人数 | 実質的に人数が少ないと割高 | 1名から申し込み可能 |
この相場観で単純計算すると、カスタム研修1回40万円、公開講座1人4万円と仮定した場合、受講者が10名を超えたあたりでカスタムのほうが1人あたり単価で並び始めます。つまり目安として8〜10名以上まとめて受講させるならカスタム研修、それ未満なら公開講座が割安という判断がひとつの起点になります。あくまで目安であり、実際は各社の料金体系で計算し直してください。
費用以外の判断軸|「内容を自社に寄せる必要があるか」
人数だけで決められない場合は、次の2つの問いで考えます。
問い1:一般的な内容で目的を達成できるか
「生成AIとは何か」「基本的な使い方」「やってはいけないこと」といった基礎リテラシーは、どの会社でも内容がほぼ共通です。この段階なら公開講座で十分なことが多いでしょう。一方、「自社の見積書作成をAIで時短したい」「自社の顧客対応メールを題材に演習したい」など、業務直結の成果を求めるならカスタム研修の自由度が活きます。
問い2:秘密情報を扱う演習が必要か
公開講座は他社の受講者と一緒のため、自社の内部資料を使った演習はできません。実データに近い題材で演習したい場合は、秘密保持契約を結んだうえでのカスタム研修が向いています。
使い分けの目安を早見表にまとめます。
- 1〜5名×基礎習得 → 公開講座(またはeラーニング)
- 1〜5名×業務直結 → 公開講座で基礎を学び、社内で応用を検討(少人数カスタムは割高になりやすい)
- 10名以上×基礎習得 → カスタム研修(一斉に足並みをそろえられる)
- 10名以上×業務直結 → カスタム研修が本命(自社題材の演習まで設計)
人数・目的・予算を選ぶだけ。おすすめの研修タイプを2つ提案します。
無料の3問診断を試す →組み合わせ技|「先に公開講座、あとからカスタム」
編集部の調査では、両方をうまく組み合わせている会社も見られます。代表的なのは次の2パターンです。
- お試し→本番パターン:まず教育担当者と現場リーダーの2〜3名が公開講座を受講し、内容と講師の質を確かめる。手応えがあれば、同じ研修会社にカスタム研修を相談する。研修会社選びの失敗リスクを小さくできます
- 階層分けパターン:全社員の基礎はeラーニングや公開講座で済ませ、推進役の数名だけカスタム研修や伴走型支援で深く育てる。費用を「広く浅く」と「狭く深く」に配分する考え方です
いきなり全員分のカスタム研修を発注するより、小さく試して確かめてから広げるほうが、失敗したときの損失を抑えられます。
申し込み前のチェックリスト
形式が決まったら、申し込み・発注の前に次を確認しましょう。
- 【共通】カリキュラムの更新時期はいつか(生成AIは内容の鮮度が重要)
- 【共通】演習の比率はどのくらいか(聞くだけで終わらないか)
- 【共通】受講後の質問対応やフォロー期間はあるか
- 【公開講座】キャンセル・日程変更の規定はどうなっているか
- 【公開講座】受講レベルの目安は自社の対象者と合っているか
- 【カスタム】事前ヒアリングはどの程度やってもらえるか
- 【カスタム】教材の社内二次利用は可能か(後の内製化に効きます)
- 【カスタム】秘密保持契約を結べるか
まとめ
カスタム研修と公開講座は、貸切バスと路線バスのような関係です。受講者が少ないうちは公開講座が割安で、目安として8〜10名を超えるあたりからカスタム研修の検討価値が高まります。費用だけでなく「内容を自社に寄せる必要があるか」「秘密情報を扱うか」も判断軸に加えてください。迷ったら、まず少人数で公開講座を試し、手応えを確かめてからカスタム研修に進む方法が失敗しにくくおすすめです。
人数・目的・予算を選ぶだけ。おすすめの研修タイプを2つ提案します。
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